<<story.7:POCKET>>



今朝、またコンビニに寄った。
毎日だった日課も、あの日から行ってない。

間違いを犯す彼女を見ていて、心がきゅうっと苦しくなった。
みているあたしは関係ないと思いたかった。

でも、幼稚園児からそのアジをシめてるあのコはどーしてるのか。
期待と、不安と、好奇心のなか、ドアを思い切って開けた。


いた。

女の子の右ポケットは、何かでゴツゴツしていて、パンパンだった。





「ねー、アオちん」
「なーに」
「あたし京都大学行こうかな」
「きょっ・・・」

アオはコトバを失った。

「嘘ダヨ」
「え・・・」
「あははー、言ってみようかなとか思った」
「行ってみよう?」
「ううん、「言う」の「いってみよう」だよ」
「あーあー・・」

「なぁに、淋しいのー?」
「んー淋しいでちゅぅー・・」

いつもと逆だ。
あたしがナデナデしてあげた。



「ここ、学校ですよ」
「知ってますよ」
「どこ触ってんの」
「Fかっぷぅー」
「ド変態」

でも、拒みきれないあたしもダメで。



寸止めっつーか胸だけで話聞かせた
「先輩がさぁ、もうね、何かどうしていいか分からんくて」
「何でー?」
「いや、いい先輩もいるんだけど、頼りにできないんだ」
「ほぇ」
「しちゃダメって感じかな?
なんか、お気に入りの子にしかーって感じで」
「あらあら」
「キライだよ」
「頑張ってきたんでちゅねぇー」

イイコイイコしてくれる手が、大好きだ。


耳元で、ホントは?と分かりきった顔で訪ねるアオ。
「うー、スキ」

「先輩じゃなくて俺は?」
「んふふ、教えてあげない」


「今日のにとな、スゲェ可愛い」


何故かな、アオちん。
可愛いって言われるだけでもう、ダメだよあたし。






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