story.2:UNFAIR・・1


アンフェアを見ていたら携帯がなった。
シンからメールが着て、二人で三時間ほど語ってた。
後半は、あたしが「安藤カワイー、蓮見マジ怖い」を連発し。
シンは「篠原涼子カワイーよなぁ」とか言ってた。

シンは役者の名前を言ってて
あたしはずっと、役の名前を呼んでた。

そんだけだけど、何だか自分が沈んでくのを感じた。




結局、あたしが寝落ちした。


【unfair】・・アンフェア。不公平、またその不公平なこと。





学校に通う。
学生としては当たり前のこと。
前よりは嫌いじゃなくなった学校に、毎日通う。
自分はなんだろうとか、教育制度とか。
クダンナイ事考えてみると、時間はあっという間に過ぎ去った。

・・・ご丁寧にも、皆勤賞なんざ目指してみたりする。

「政経ヤベェし」

ぶつぶつ言いながら教科書をめくるあたしに、委員長が声をかけた。
ちなみに、委員長っつってもガリ勉大人し目優等生を思い浮かべてはいけない。
ウチの委員長はむしろ校則は破る側だ。
何だかんだ言って、気の良い奴。


試験初日、一時間目は政経。

「半分」
「ん?・・あ、あんがとv」

しゃがみこんで教科書見てたあたしに、座っていた委員長が半分席を開けてくれた。
半ケツなんて何年ぶりヨ・・・
恋人とかはこんなことを出来るんだろか。
恋という初歩ステップを踏み逃して何段か先に進んだあたしにとっては、
委員長の優しさは嬉しいけど、なんだか沁みる。


「にとな、変態猿にセクハラされたっしょ」
「まぁーでもアレがなかったら猿じゃないからねー」

不覚にも、少しトキメくヲトメ一人、あたし。
こんなあたしにも話しかけてくれる人がいる。
心配・・(?)してくれる人がいる。

ちなみに猿ってのは本当に猿で。
女子に見境無くちょっかいかける男。






あたしには、特別な感情をくれる人がいる。
ユーヘイ、同じクラス。
あたしは無意識に目で追っている。
それにあの、太陽みたいっていう形容詞が似合うほどの笑顔。
直視なんて出来ない、と思ってる。
純情だとか純粋だとか、自分はそんな綺麗なコじゃないけど。
綺麗な感情だと思う。




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