【story.1:USUAL 普遍的な日常】





朝、六時半起床。
活動するのは七時を少し過ぎてから。
駅に待ち合わせは七時三十分。
コンビニにはほぼ毎日寄る。

「イラッシャイマセー」

同じ文句ばっか繰り返す店員。
きっと今日も大して面白くない一日が始まる予感がする。
予感なんて不確かなものじゃない。
確定的な毎日。


ふと、幼稚園の鞄を背負った小さい女の子が目に入った。
ビスコのイチゴ味をずっと見ていた。
とりたてて興味も無く見ていたら、女の子はビスコを持った。
あたしはガムを物色していて、下段にあったブラックブラックを手に取った。

急に。
女の子は走り出した。
パタパタ、と走り出る女の子を見ながら
「アリガトウゴザイマシター」
とだけ言う店員。


もう一度みたビスコのあった箱は、
右の一番前の一つだけなくなってた。






学校へ着くのは、八時すぎ。
誰もいない教室で座って、朝ご飯。
たまに隣の席のユウキと喋ったり、委員長と喋ったりもする。
大概は寝ていて、HRで起きる。

話も聞かずに携帯で音楽を貪ることもある。だってauだもん。
でも、まぁ99.9%は真面目に聴いてる、フリをする。
そんで、授業を終える。
授業は睡眠学習が専らだったが、最近は部活の影響を受けて寝てない。
つーか、バレずに寝る方法を編み出しつつある。
コツがいる。
でも大丈夫っしょ。

一日は長かったり短かったりする。
それから、部活へいく。
とりあえずは部活生。


先輩に間違えられて連れて行かれたフローリングのただっぴろい場所では
黒い帯の人々がえい、やあ、とう、とやっていた。
即入部(゜∀゜)アヒャ

それが、表向きの日常。

表向き、反転。




裏面。

学校の中々ヒトの通らない階段下での密会。
っていうほど大それたものでもなく。
ただ、学校っていうモノへの背徳感が、余計にクる。
そんだけ。

トモダチなんていねーし。
どうせ影で悪口言ってるんでしょ?
この世界で、裏切りはタブー。
相手の申し出を断れば、即刻断頭台へもってかれる。
さらし首にされて、身包みはがされてポイ、だ。

大人から見れば、きっとクダラナイ。
でも、それが全てでバカらしい、そんな日常。

高校生で処女はオクレてるって。
そんな常識クソ喰らえ。誰が決めたんだよ。
今は中二が平均トカ語ってるバカがいた。
責任もとれない癖に、義務教育のガキが・・ともいえないあたし。
やめときな、後悔するよ。
そう、昔の自分に言ってやりたい。

けど、アオの腕の中の温度以外、あたしに温度をくれないから。
そこに愛情が成立していなくても、参ってしまう。
あたしもアオのことは好きじゃない。
いや、友達としては好きだけど。
アオも、きっとあたしのことはトモダチ以上に見てない。
そんな関係が生温くて、異常で、気持ち悪くて。
でも、それが日常。








top  next→