【純恋歌】






少しまだ耳鳴りがする。
環境的に、パチンコ店なんて体に悪いに決まってる。

「はぁ・・」

そんな事どうだっていい。
折り合い悪くて、俺がまだまだガキで。

俺は俺だけのコト考えて、いつもジコチューで。
3コ上のアイツはいつも俺中心で、俺ばっか気にして。
弟妹たちがいるせいか、いつも大人っぽくて。

化粧だってそうだ。
いつもナチュラルで(いや、モトがいいからだ)
・・・・。

なんで怒鳴っちまったんだろ、俺。
アイツはそれでも言い返さずに、俺をただ見つめてた。

目が、俺に何かを訴えかけようとしてたんだ。



景品で貰った化粧品。

それを片手に、桜並木を歩いている。


朧月が柔らかい光を照らし出していて。
ふと気づくと思い出の場所。

景色は変わらないのに、
こんなにも俺たちは、俺は変わってしまって。

「はぁ」


出会いの演出家は大親友。

アイツは大親友の彼女の連れ。
俺の周りは派手な尻軽女ばかり。

家庭的な女なんていねぇと思ってて。
でも、そんな女いたらいいなとか思ってて。

笑顔でパスタ作ったアイツに一目惚れ。


大富豪負けて大貧民。
ガキな俺はマジ切れして。

やってらんねぇとお手上げの大親友
少し怯える大親友の彼女

冷え切った場に響く優しい笑い声。
楽しいね、って笑うアイツ。
癒されて、大人しく座った俺。
アイツは、場をなんとかしようって気は全く無く。
バツが悪くて項垂れた俺に、笑いかけてくれた笑顔。

ベタ惚れ。
もう、コイツしかいねぇって思った。



この俺が、スキップするほど舞い上がって。
好きだとか愛してるとかすっげぇ言いたくなった。

アイツみたいな、優しい光のおぼろ月。
その月を見ながら、月のように優しく微笑む。
その笑顔を、お前を一生守りてぇって思った。

ヘラヘラして、「あぁ、アイシテル」
そんな言葉ばっかりだった昔の俺。
そんな簡単に言っていい言葉じゃないって気づかされた、

まじめな顔して、心臓バクバクで。

あんまり力いれちゃ痛いかぁとか
でももっと近くで鼓動を感じたいだとか

最初のキスなんて覚えてもいない。



目を閉じれば、何億何千もの綺麗な星が見える。
だけど、お前に勝てる輝きなんてありはしない。
こんな荒んだ日々の中で
初めて熱中できたコト、それがお前。

愛の歌なんてこっ恥ずかしい。
そんなみてくれなんて気にしている暇なんてない。

忙しくて構ってやれなくて
淋しいはずなのに。
一言二言「付き合い悪いよぉ」って笑いながら言って。
温かく見守ってくれてるの、知ってるから。

できるだけ一緒にいたいって
少しでも我慢してくれてるお前がいじらしいから。

変なあだ名で俺のこと呼んで
周りからバカップルって呼ばれるのも
何か心地よかったり。

俺が落ち込んでたら、お前は助けてくれた。






春の夜風に晒されて
思い出した思い出たちに次々とビンタされて

ああ、じっちゃんばっちゃんになっても
縁側で茶でも飲めたら幸せなのにって走り出した。



俺のヘタクソな恋の歌
恥ずかしいから、お前にしか聞かせてやらねぇ
お前以外に冗談でもアイシテルなんて言えねぇ






「・・・はぁっ、はぁっ・・・」

「・・・・・」

目を見開いた彼女。
俺は、何も言わずにいて、



「・・・・・きゃっ」

「・・・・・・・・・・」

「ね、ねぇ・・?」

「・・・・・」





「あいしてる」




end.
******************
テーマ
・喧嘩(男が一方的に悪い)
・原曲そのまんまで
・とにかくピュアに!!!

とにかく原曲ーでいきました。
ううん。
聞いたこと2、3回しかないんだもん(爆
でも歌詞はスキスキーですよ。

あ、今回はあんまし書くことないや。

次は何でやろうかなぁー。