飛べない小鳥

 

飛べない小鳥に 赤い翼をあげよう
翼をあげた代わりに
その緋色に蠢く命を貰うとしようか


嗚呼 なんて 惨めな小鳥
飛ぶ事さえ望まなければ 今も世に居られたのに

嗚呼 なんて 愚かな小鳥
そんなことじゃ 人魚姫にだって笑われちまう


歩けない人魚に 人間の足をあげよう
足の代わりに その 美しい声を
でも これは童話の話

赤い翼を貰った小鳥は
空中で事切れ 宙に舞い
天高き 御空に抱かれながら

人魚姫と同じように 哀しむ間もないまま 泡と消えた



ああ かみさまはなんといじわるなおかたなのだろう

そう呟きながら 空を見遣る





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詩、飛べない小鳥シリーズ(そんなんあるの?
昔書いた長い文章の一部です。
ちょっと改定済。


20050407