「おまえに勝てる奴はこの世にも、仮にあの世にだっていりゃしないさ。
神でさえも、お前の存在を感じ取っているんじゃないかい?本能的に、敵だと」
おどけた声で、からかうように言葉は放たれ、少女の笑みを誘った。。
それが彼女の最後の言葉だった。
老婆の目にうつるは、天使か悪魔か。
「・・・・」
彼女の血で染まったナイフを、まるで曲芸師みたいに指先で操りながら
体にまとわりついてくる、「殺人直後」の感触を。
ざあざあ、天から降ってくる雨で流れ落とすかのように突っ立っている、1人の少女。
口元には、控えめな微笑。
「そうね、御祖母様・・」
プロローグ
まず、はじめに。
この世界は4つの大陸と一つの「空に浮く島」によって構成されている。
神に賞賛された地
Admire Ground
後悔・復讐の地
Regret Blood
全てを手に入れられる地
Inhand
Admire Groundより離れた
“余分”の地
Excess
そして空の孤島
Innocent
そしてこの大陸を断つように流れる海。
Murdering、Blessing、Wager・・・
その中でも一番恐ろしいのはRegret Bloodの周りだけになぜか流れている
呪われた血で染まる海 Murdering Sea;名は体を表す、の言葉通りの海。
この時代は魔物、それを倒すために善悪滅判所が創立され、また人型をしたものを捕まえて捕縛していた、時代である。
そう、人と魔物が完全対立していた時代の事である。